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お伝えしたいこと 2026-04-28

”関東でのPOPUPイベント終了について”

いつもHUISと遠州産地のことを応援していただきましてありがとうございます。

今年度いっぱいで関東エリアにおけるイベント出展を終了させていただくことになり、先日、インスタライブでもその理由について詳しくお話をさせていただいておりました。
今日はこちらでもあらためてその内容を説明させていただければと思い、投稿させていただきました。

毎年、数多く展開させていただきみなさまに親しまれてきた関東エリアでのイベント出展を今年度末で終了する、というのはHUISにとっても大きな決断です。
その要因には今HUISを取り巻く環境と産地で起こっているさまざまなことがあります。それらの要因を正面から受け止めた上で、大きな値上げをせずに続けられるための決断として、今回のお知らせをさせていただきました。その内容について、少し詳しくお話しさせていただきますね。

まず、これはなんとなくイメージしていただきやすいことではないかと思いますが、そもそもの前提として百貨店さんで販売するというのはすごくコストがかかるということがあります。
これは百貨店さんが悪いということでは全くありません。百貨店さんというのはどの地域においても訪れやすい便利な立地で、また特別感を感じられるような素晴らしい施設を大変なコストをかけて構えられていて、そこで私たちのようなブランドは出展させていただいているものです。こうした恵まれた環境で商品を販売させていただくわけですから、投資されている百貨店さんだけでなく、出展するブランド側にとってもコストがかかるのは自然なことです。

 

 

ただ、HUISというブランドの特性として、「原価率が高い」、つまり一般的なアパレルブランドと比べて商品価格に対する製造原価が高い、ということがあります。そのため、こうした恵まれた環境で販売させていただいているということにどうしてもブランド設計上の難しさがあることはイメージしていただきやすいと思います。まずこれは、売り場の話です。

その一方で反対に今度は産地、製造の現場の話として、大きな影響が起こっています。それは今、洋服を作るための製造原価が全て上がり続けている、ということです。
具体的にいうと素材の原料費=綿や、ウールや、麻の原料となるフラックスといったものが値上がりを続けていて、それに伴って糸値、生地代も毎年の様に値上がり続けています。また、その他にも大きいコストとして、生地の染色代、糊付け代、整理加工代なども年々、値上がりしています。
そして、これらに加えて大きな割合を占めているのが縫製工場における縫製工賃の値上がりです。縫製工場も長年、工賃を上げられずに来た業種であり、国内の工場は不採算事業となってしまっている工場が少なくありません。そのため、HUISの周りでもここ数年で廃業が急激に進んでしまっています。今残る国内の縫製工場が今後も続けられるためには縫製工賃の値上げが不可避で、こうした状況の中で縫製コストが値上がりを続けてきました。また、これらに加えボタンや芯地などの付属品の価格も値上がり続けています。

生地生産や縫製といった製造の現場は、こうした大変な状況にあるのが現実です。

 

 

そのうえで、あらためて売り場の話に戻りますが、百貨店さんの「経営の方向性」が数年前より移り変わってきました。
百貨店を訪れるお客さまから目に見えて分かりやすいこととして、「POPUPスペース」「イベントスペース」といったものが次第に消え、常設店舗に置き換わっている様子を感じられている方も多いのではないでしょうか。これは、特定の地域の百貨店さんだけではなく全国的な傾向です。
実際、施設側の視点から見ると、週替わりで出展ブランドが入れ替わっていくイベントスペースの運営というのはとても人手や手間のかかる事業です。HUISとしても実際に渋谷ショールーム横のイベントスペース「渋谷さんちギャラリー」の運営をさせていただいていることから、こうした事情はよく分かることでもあり、運営コストを考えればイベントスペースが常設店舗へ切り替わっていることは自然なことでもあると思います。
もちろんすべての百貨店さんというわけではありませんが、こうした経営の方向性が少しずつ変化してきている影響は、目に見えないところで出展ブランド側にも条件面として反映されてきているのが現状です。
こうした状況についても決して百貨店さんが悪いわけではありません。百貨店さんたちにとってもさまざまな厳しい状況がある中で、この先も持続的に運営を続けられるよう、地域のお客さまへ良いものを届けられるよう、試行錯誤された上での経営判断です。
私たちがお付き合いさせていただいているバイヤーさんたちも、本当にいつも売り場づくりのために一生懸命取り組んでいただいていて、今もこれからも大切なパートナーだと思っています。

 

 

ただ、現実問題としては、産地において製造原価がどんどん上がっているということと、売り場の環境が変わってきているということが目の前にあることは確かで、このままではその両側ですり潰されてしまう状況にあるということです。

そして、その上で、私たちは産地の職人さんや事業者さんの収入がもっと適切に増える必要があると思っています。
先日、磐田市長さんが、別珍・コール天の加工場の磐田産業さんや、カッチング職人さんのところに丸一日をかけて視察に来てくださいました。そこで地元・磐田にこれほどすごい設備と生地があったのか、とあらためて感じていただくことができたのですが、同時にもう担い手はギリギリでこのままでは現実、運営を続けられる状態にないということも理解してくださっていました。
産地では世界的に評価されている、稀有で素晴らしい生地が作られてきたにも関わらず、事業者さんや職人さんたちは仕事に見合う単価に値段を上げるということができず、すでに多くの事業者が廃業していってしまった、後継者を作ることができなかった、という現状。それは現場を担われている事業者さんたちと言葉を交わすことで、手に取るように分かります。
だから、私たちは、日本の産地や繊維業、そこにある素晴らしい技術が残るためには、担い手の方々の収入がきちんと適切に増える必要があると思っています。働きたいと言ってくれる若い世代を雇い入れる余地のある収入、自分の技を伝えることができる余地のある収入、息子さんや娘さんが家業を継ぎたいと言った時に受け入れてあげられる余地のある収入に、少なくとも引き上げられる必要があると思っています。それが果たされなければ、産地の維持は不可能だと思っています。
でも、それは同時に、製造原価がもっと上がってもいいよ、というメッセージでもあります。

 

 

では、今のような状況でどうすべきなのか、私たちは選択する必要があります。
つまり、「売り場の形態を変えずに、商品価格を上げる」か、「商品価格を変えずに、売り場の形を見直していく」かのどちらかの選択です。

HUISではこれまでも少しずつ値上げを実施してきましたが、それでも現在、主にシャツやブラウスが2万円台で展開できる価格設計にとどめてきました。これが3万円台を大きく超えるような展開になることは、できるだけ手に入れられやすいよう工夫をこらし“上質な日常着”というテーマで展開してきたHUISにとって少し難しい選択です。
また、売り場の形に固執することは、おそらくその先も価格の見直しを続けることになるであろうと予想しています。
あらためてですが遠州織物は、一般的なアパレルブランドさんが使っている生地に比べて高価な生地です。遠州織物のようなハイエンドな生地を使う海外メゾンのようなブランドさんは、百貨店さんできちんと店舗を構えて展開をしているわけですが、それはシャツ1枚が10万円・20万円を超えるような価格で展開しているからであって、でも私たちはそうした展開をしていきたいわけではありません。

産地の生地を基に服づくりをさせてもらっている私たちは、産地の事業者さんたちが維持できる形で、HUISをきちんと続けられる形で、今、経営判断をしていかなければいけません。
遠州織物は、パッと見ですぐに価値の伝わりやすい生地ではありません。見た目には素朴でシンプルですが、実際に手に触れ、袖を通すことでその風合いを実感していただける生地です。HUISにとってそうした実体験の場はとても大切なもので、ありがたいことに関東にはショールームや取扱店さんなどがたくさんあります。
今回の判断は以前から長く考えてきたことです。ですから年度初めの今、一年間まだ先のあるこの時期にお知らせさせていただきました。

 

 

今あるものを続けながら、新しいことをはじめる、という判断をするのは案外簡単です。難しいのは、今続けていることをやめること。経営においては特に、今をそのまま続けることに固執してしまいがちです。でも、まわりの環境は常に刻々と変化しています。変化を適切に捉え、先を見据え、今ある形を変化していかないと簡単に消えてしまう。特にアパレルの世界は、そうして消えて無くなってしまった会社が星の数ほどあります。そしてそれは会社単位のことだけでなく、産地そのものにも言えることです。
今のこのすごく難しいバランスの中で、何を残し、何を変化させるのか、私たちは選択をしていかないといけません。

HUISが無くなってしまう訳ではありませんし、売り場が無くなってしまう訳でもありません。今年度はまだたくさんのイベントを予定していますし、来年度以降もショールームにおいてこれまでと変わらずHUIS製品を手にしていただけます。

百貨店さんでも、ショールームでも、オンラインストアでも、それはどこでも問いません。HUISの服を買ってもらえる、ということが来年度分も生地の発注や縫製工場さんへの仕事をお願いできることになり、産地や、日本のものづくりを続けられる大きな循環になります。
私たちもあらためてそうしっかりと意識をして、HUISがきちんと長く続けられるように取り組んでいきたいと思っています。

みなさんもぜひ、今後も遠州織物をたっぷりと楽しんでくださいね。

 

 

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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