先日、シャトルベルべッティーン(別珍)の505スカートパンツをリリースしました。
国内で唯一のコーデュロイ(コール天)・ベルベッティーン(別珍)の産地である遠州の中でも、シャトル織機で織られた別珍生地はごくわずかのため数量限定生産品となります。
カラーはチャコールグレーのみ、アイテムは505スカートパンツの他に、307アトリエジャケットのみとなります。
「ベルベット」「ベロア」「別珍」「コール天」など、コーデュロイのように起毛した生地を指す名称は英名・和名が混在し、さまざまな呼び名があるため正確に把握されている方というのはほとんどおられないのではないでしょうか。
今回それぞれの違いをかんたんに解説させていただきたいと思います。
■シャトルベルベッティーン(別珍)スカートパンツ
https://1-huis.stores.jp/items/671b348b40fe591ecde667d3
こちらのオンラインストア商品ページにも末尾に記載しておりますが、起毛生地の分類は以下のようになります。
【起毛生地の分類】
①ベルベッティーン=【和名】別珍(べっちん)
→ヨコ糸パイルの起毛生地
②コーデュロイ=【和名】コール天
→ヨコ糸パイルの起毛生地
③ベルベット=ベロア=【和名】天鵞絨(てんがじゅう)
→タテ糸パイルの起毛生地
「ベルベット・ベロア」と「ベルベッティーン(別珍)」は組織の違う織物で、「ベルベッティーン=別珍(べっちん)」はヨコ糸パイルの織物です。
タテ糸パイルの「ベルベット」は新幹線のシートなどに使われているものを想像するとわかりやすいかと思います。
作り方は、間にパイルのあるタオルのような二重織りの生地を織り、その真ん中をカットして表面が起毛したベルベット生地となります。
ベルベットももちろん高級生地の一つですが、天然素材で織り上げカッチング職人がすべて手作業でカッチングして作る「ベルベッティーン=別珍」は別次元の手間がかかります。
その分、毛並みの美しさ、風格も段違いだと産地の職人さんたちは言いますが、今残っている別珍のカッチング職人さんは70歳以上の方のみ。
手作業で行うカッチングの技術は非常に高度で、また写真にあるカッチングの設備はすべて職人さんたちの自作の機械です。
日本の「ベルベッティーン(別珍)」が作られるのは、おそらくあと数年ではないかと思います。
カネタカ石田さんが支えているコーデュロイ(コール天)よりもさらに危機的な状況です。
ベルベッティーン(別珍)も、動画でご紹介させていただいた磐田産業さんがもちろん加工していますので、磐田産業さんがもし廃業してしまうと、その時点で日本の別珍は無くなることになります。
今回、HUISでリリースさせていただいたシャトルベルベッティーン(別珍)は、その中でも特に希少な「シャトル織機」で織られた生地です。
手に入れることができた方は、ぜひ大切にしてくださいね。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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