一年を通して快適に着ていただけるHUISの生地は、遠州の「シャトル織機」で生まれる特別な生地ですが、秋冬シーズンにも快適に過ごしていただける特徴ある生地がラインナップに並びます。
本来、「コットンの高級シャツ生地」の産地(=遠州織物)として知られる遠州は、春夏シーズンを中心とする生地の産地です。
それだけに、自分たちの技術を活かして秋冬にも適する生地を開発しようと、遠州の職人さんたちの試行錯誤から生まれた秋冬生地は、より工夫を凝らした特徴のある生地だと言えます。今日は、そんなHUISの秋冬生地を少し掘り下げてご紹介したいと思います。
お客さまからよくいただくご質問のなかに、「どの生地が一番暖かいですか?」といったご質問があります。
“暖かさ”にはいろいろな意味が含まれ、一概に比べることが難しいため、その機能を整理してご説明させていただければと思います。
暖かな洋服の生地を作ろうと考えた時に、大きく二つの方法があります。
まず一つ目は、「保温性」のある素材を使った生地を作ることです。保温性のある素材の代表的なものに、「ウール」や「ダウンの羽」があります。ウールは素材そのものに暖かな空気を溜め込む性質をもつため、着用していると着用している人の体温から吸収した熱を生地が溜め込んでくれるため、体のまわりに暖かな空気をまとう状態が生まれます。
HUISの中では薄くて軽いけれど高い保温性を持つ「ウォッシャブルウール(ウール100%)」が代表的な生地になります。
ただ、こうした生地も風には弱いため、屋内で着用している時には暖かいのですが、外に出て強い風が吹くと暖かい空気は飛んでしまい、寒い冬の屋外では保温性を維持することが難しくなってしまいます。
そこで暖かな生地を作るもう一つの方法が、「防風性」を持つ生地を作ることです。
生地は高密度になるほど、風を通す隙間がなくなることで、高い「防風性」が生まれます。防風性の高い生地をまとうことで、体を覆う暖かな空気が逃げないようにすることができるのです。
HUISの生地の中では、「ダウンプルーフコットン」や「パラシュートクロス」などが代表的な生地になります。“ダウンの羽すらも通さない“という意味を持つダウンプルーフコットンや、“パラシュート”という言葉からも、その防風性能が分かりやすいかと思います。
通常、こうした防風性の高い生地を作るためには、細い糸でも高密度に織ることができるナイロンやポリエステルなどの化学繊維が使われますが、天然素材であるコットンでこうした規格の生地を生み出せるのが、遠州の機織り技術の驚くべきところです。
肌に触れた時に冷たい感触のある化繊生地と比べ、コットンは肌に触れた時の温かみがあり、そうした心地よさを好まれる方も多くおられるのではないでしょうか。
こうした “保温性”と“防風性”を踏まえていただくと、秋冬を暖かく快適に過ごしていただける上手な着こなしができると思います。
保温性の高い「ウォッシャブルウール」のブラウスやカーディガンを着ていただき、その上から防風性のある「ダウンプルーフ」などのアウター・シャツなどで覆っていただくことで、効率よく暖かい空気を閉じ込めることができます。
いずれも軽くしなやかな生地なので、重ね着したときにもかさばることがありません。
天然素材にこだわるからこそ、天然素材の機能を存分に活かすことができる生地。遠州で生まれるHUISの生地は、そんな生地なのです。
では、他のラインナップに並ぶ「シャトルコーデュロイ」や「綿ウールライプライタークロス」とはどんな性質を持つ生地なのか?
次回は、工夫と開発をこらす遠州の職人さんたちが生み出した、保温性と防風性を兼ね備えたハイブリッドな生地について、詳しくご紹介します。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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