古くから、B to Bの世界においては特別な産地として認識されてきた遠州。一方で、残念ながら一般のみなさまには知られることがこれまでほとんどありませんでしたが、近年、ありがたいことに少しずつ注目いただけるようになってきました。
そんな遠州産地ですが、その水面下では担い手不足の深刻な状況が刻一刻と進んでいます。有志の若手繊維関係者グループ「entrance」などの活動を通して、目に見えるイベント以外にも産地を維持するためのさまざまな取り組みを進めている中ですが、今日は大切なお知らせについていくつか投稿させていただきます。
まず、今秋YouTubeでの動画などを通して発信してきた「コーデュロイ(コール天)」についてですが、産地における担い手や技術的な面においてこれまでどおりの生産が難しい状況となりました。
一つ目の生地「みじんコール」について。
残念ながら来期25AWの生産ができない状況となりました。また26AW以降についても生産ができる見込みが現状はありません。今お持ちのみじんコール製品についてはおそらく貴重なものになるかと思いますので、ぜひ大切にしていただければと思います。
その他の「シャトルコーデュロイ」についても同様に難しい状況にあり、来期25AW以降生産することができるかどうか今は不透明です。少しでも続けられるよう、産地の関係者みなさんが今一生懸命取り組みを進めています。
国内唯一のコーデュロイ産地として「ほぼ日」さんとのコラボレーションや各社新聞記事などで現状が取り上げられるなど、遠州の事業者さんたちに注目が高まっていた中で苦しい状況が訪れてしまっていますが、日本人にとっての誇りでもある「コーデュロイ(コール天)」をこれから先も使うことができるよう私たちは願っています。
また、これまでHUISの中でもとても人気の定番生地であった「コードレーン」「空羽コードレーン」「バンブーリネン」「なめらかコットン」の4種について。
これらは来春25SSリリース分についてはなんとか今まで通り生産することができましたが、25AW以降については現在、生産できるかどうかが分からない状況となってしまいました。
いずれも古橋織布さんらしい、ユニークで独特な風合いをもった特別な生地でしたが、現状は残念ながら難しい状況が訪れています。産地の中では、この先も生産ができる可能性を見出せるよう、事業者さんたちが今模索しています。
担い手不足。
本当に、水面下では深刻な状況がいくつも生まれています。
HUISをご愛用いただきお買い求めいただけるみなさま、遠州織物に想いを持ってくださるみなさまのおかげで、この先の遠州産地の未来を見ることができます。
一方で、目に見えない部分で産地の中は想像以上に深刻です。今まで普通に使うことができていた生地が使えなくなってしまう。そんなことがあたりまえのことになってしまう未来を、私たちはこれ以上見たくはない。そうした気持ちでいっぱいです。
今後、いっそう貴重になっていくであろう遠州織物ですが、HUISはこの先もできる限り多く使い続けていきます。遠州の機屋さんたちに生地を発注すること。それが、今残る素晴らしい技術の維持と発展につながることだと思っています。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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