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お伝えしたいこと遠州織物のこと 2021-04-16

“経通し職人・府川さんのこと”

HUIS販売パートナースタッフの一人でもある、府川さんが先日の中日新聞・夕刊の一面に大きく取り上げられました。

昨年、機織りの工程の一つである「経通し」の専門的な職人さんとして独立起業された府川さんは、本当に様々な経験をお持ちです。
記事から一部抜粋しながらご紹介させていただきますね。

神奈川県出身の府川さんは東京都内の大学を経て英国やフィンランドに留学し、海外でも二つの大学を出られてから日本に戻り、外資系企業などで働いた後に浜松へ移り住まれました。
ファッションブランド「ミナペルホネン」への憧れから織物に興味を持ち、遠州織物を販売する会社へ就職。接客で生地に触れるうちに「作り手に回りたい」とのおもいを持つようになり、HUISの生地を織っていただいている古橋織布さんへ就職されました。

そこで機織に関わる様々な工程を学びます。綿花から糸にする「紡績」、糸をねじり合わせる「撚糸」、まっすぐに揃えてビームに巻きつける「整経」、そして機織り機にかける前の器具に糸を通す「経通し」。
超高密度と言われるHUISの生地を織るために、前工程として必要な「経通し」の作業は、たった1枚の生地でも数千本に渡ります。職人さんが何日もかけて細い糸を一本ずつ器具に通していく気の遠くなるような作業です。

生地作りと一口に言っても、機織りをする前段階には必須となる様々な工程があります。その一つ一つの工程を担うのは、小規模な一人一人の職人さんたちです。ただ、繊維産地が衰退する中で、そうした職人さんたちが次々と廃業されている現状があります。

どれだけ素晴らしい織機が残っていても、その前工程を担う職人さんたちがいなくなり、技術が途絶えてしまえば、生地を織ることはできません。世界に誇る「遠州織物」の品質は、こうした全ての職人さんたちの仕事の連なりが、生み出しているとも言えます。

以前は、1600軒あったと言われる遠州の機屋さんは、現在50軒ほどに激減してしまいました。
また、数百人いたと言われる「経通し」の職人さんも現在70〜80代の方がわずかに残っているばかりです。
経通し職人さんが途絶えてしまえば、今HUISで使わせていただいている生地も、手に入れることはもうできません。
こうした職人技術の連なりで成立している日本国内の繊維業は、俯瞰して見れば、薄皮一枚で繋がっているような産業でもあります。

そんな現状の中、府川さんは昨年9月に古橋織布さんから独立し、整経工場の一部を借りて「経通し」の職人さんとして起業されました。
府川さんは以前から、こうした産業を支えることに興味のある若い方の受け皿や、事業の必要性をお話されていました。

府川さんは、自身の事業の行く先で、伝統産業やものづくりの現場を志す若い方々に、技術を伝えられるような存在になれればと言います。
現状を憂うことは、誰にでもできることかもしれません。でも、実際に生業としてその世界に踏み入れ、独立起業される、という意志をもつことは、そう簡単ではない、とあらためて感じます。

新たな一歩を踏み出された府川さんの活動を心から応援するとともに、こうした一人の起業家のストーリーにスポットを当て、しっかりと伝えてくれる地元の新聞記者さんがおられることをとても嬉しく思います。

府川さんには、イベントの際などにHUISの販売スタッフとしても力を貸していただいています。

見かけることがありましたらぜひ応援してあげてくださいね。

※画像は実際の経通しの作業の様子です
※検反作業されている様子の画像はHUISのプロモーションムービーの一部です
■HUIS youtube
https://youtu.be/nWoDR_8QsQI

 

 

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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