今期の新しい生地、リネン100%の【シャトルリネン】をリリースしました。
初回リリースしたスカートパンツはおかげさまですぐに完売となってしまいましたが、その他のアイテムも今期いくつかリリースを予定しています。
他の生地と同様多くは織れない生地で生産量は限られていますが、ぜひご期待くださいね。
今回、こちらの【シャトルリネン】をリリースした際に、「リネン100%なのに価格がとても安い」というお声をたくさんいただきました。
これまでのコットンを中心としたアイテムと同じ価格帯であることに、ちょっとした違和感を感じていただいた方も多いようです。
こうした率直な感想は、リネン以外のHUISの生地品質や、HUISの価格の特別さを改めてお伝えするのに分かりやすいきっかけになると思い、今回はそのご説明を少し掘り下げてさせていただきたいと思います。
【シャトルリネン】は他の生地と同様、旧式のシャトル織機により長い時間をかけて遠州の職人さんが織る生地です。
糸に遊びを持たせてゆっくりと織り上げていくことで、立体感のある特別な風合いや柔らかさ・耐久性を持ち、使い込むほどに柔らかく風合いが増していきます。
みなさんの身の回りのお店でリネン100%の生地の洋服をみることはあると思いますが、シャトル織機で織られたリネン生地はほとんど存在しません。海外の高級ブランドなど、限られた商品にしか使われていない生地だからです。
HUISではこの【シャトルリネン】を使った505スカートパンツを、他のコットン生地と同じ19,800+taxという価格で展開しています。
HUIS商品の価格には、いわゆる“ブランド料”というものを載せていません。単純な原価からの積算で、できる限り上代を下げられるよう価格設定をしています。
その上で「一般的に価格が高いと思われているリネン100%の生地」と、「他のコットン生地」とが同じ価格帯になる、ということは、裏を返せばいかにHUISのコットン生地が高価な生地なのか、ということが分かりやすいかと思います。
そして同時に、世の中に安価なコットン生地がどれほどあふれているのか、ということもイメージできるかと思います。
生地の品質は、主に「①原料となる糸の品質」と「②織る織機(しょっき)」の2つの要素で決まります。
①高品質な糸ほど生産できる地域が限られ、生育に時間と手間がかかることから、原価は高くなりますが、繊維長が細く長いため、ツヤがあり丈夫な糸ができます。
②古い織機ほど現存する数が限られていて、技術を持った職人しか扱うことができず、また大変な時間と手間がかかることから、原価は高くなりますが、他にはない風合いや着心地・耐久性など様々な機能をもちます。
こうした品質と価格の相関関係はとても分かりやすく、人の手を介して作られるものだからこそ、効率化とともに失われるものがある、という分かりやすい世界なのだと思います。
HUISの生地はこの2つの要素に一切の妥協をしません。スビン・スーピマ・ギザなど最高品質の糸を使いながら、最も古い織機「シャトル織機」で織ることで、他にはない最高品質の生地が生まれる、ということをこれまでもご紹介してきました。
裏を返せば、安価な原料の糸を使い、超高速型の織機を使うことで、安価な生地を大量に生産することができます。残念ながら、現在私たちの身の回りにある衣服はこうしたものが多くを占めている、ということもイメージしやすいと思います。
ここで、一般的にリネン100%の服は高いものが多い、という理由についてもご説明させていただきたいと思います。
様々な品種があり品質差の幅が大きいコットンと違い、リネンは品種が少なく品質差が小さいため、コットンのように大きく価格を抑えたリネン原料がないため、安価な生地を作ろうとしても①の部分で限界がある、ということです。
できるだけ安価なリネン糸を使い、高速型の織機で織ったとしても、生地価格を一定以下にすることができないため、リネン100%の衣服の多くは価格が高めの商品になってしまうのです。スカートが3〜4万円、ワンピースが5〜6万円といったことも多いでしょう。(やはりそれだけ天然素材は高いということもご理解いただけると思います)
HUISの【シャトルリネン】は、そうした一般的に流通するリネン素材とは一線を画す生地です。
フランス・ノルマンディー地方で生産されたリネンを原料とし、ネップ(節)やムラの少ない高品質のリネン糸を使うとともに、1日稼働し続けてもわずかしか織り上がらない「シャトル織機」を使い、遠州の職人が毎日欠かさず目を張って織り続けることで、やっとできあがる希少な生地です。
こうした生地を使ったスカートパンツを19,800円という価格で展開できるのは、生地の直接仕入れやBtoC直販といった、HUISが安価に商品展開をできる4つの特別な理由があるからです。
詳細については以前解説させていただいた記事↓をあらためてぜひご覧ください。
■“HUISの価格の秘密について”
https://1-huis.com/all/10673
そして、この【シャトルリネン】で感じていただいた価格の違和感を通して、リネン以外のHUISの生地、遠州織物という生地がいかに特別な生地か、ということも感じていただければと思います。
2022SSもたくさんの新たなアイテムを展開していきます。ぜひご期待くださいね。