リネン100%の【シャトルリネン】の商品がまた新たにいくつか入荷してきました。
こちらの【シャトルリネン】は、旧式のシャトル織機により長い時間をかけて遠州の職人さんが織る生地で、みなさんが身の回りのお店で見るリネン100%の生地とは異なる生地です。糸に遊びを持たせてゆっくりと織り上げていくことで、立体感のある特別な風合いや柔らかさを持ち、使い込むほどに柔らかく風合いが増していきます。
麻100%の服というと春夏シーズンのみの服と思われがちですが、実は麻(=リネン)は体と外気の緩衝をしてくれる調温機能に優れた素材で、四季のある日本で一年を通して快適に着ていただくことのできる天然素材です。
今回は、その麻素材の特性についてご紹介させていただきますね。
HUISの生地を生産する産地「遠州」は高級綿織物の産地として知られている地域ですが、麻(=リネン)織物の生産量もとても多く、旧式の織機で生まれる麻素材は、その品質から繊維・アパレル業界ではよく知られている産地です。「遠州織物」という言葉には、綿織物だけでなく麻織物も多くが含まれています。
現代において、天然素材の衣服の中で最もポピュラーな「綿」は、もともと日本古代からあった作物ではありません。綿栽培や綿織物が、一般的に広がったのは江戸時代以降で、それまでは麻織物が日本人にとって身近な衣服でした。
この麻素材の大きな特徴は、空気を多く含み、余分な湿気を蒸散してくれることです。
その特徴が生まれる理由は、麻繊維の構造にあります。
麻は繊維の中心に大きな空洞があり、また繊維表面にもたくさんのひび割れや小さな空洞がある「多孔構造」になっています。
この繊維の空洞に、体から出た水分がすばやく吸収され、外気への蒸散が促されます。
麻が持つこの吸湿・速乾性が、汗をかく夏シーズンに快適に着用いただける理由ですが、多孔構造を持つ麻素材の特性はそれだけではありません。水分を蒸発した後の空洞は、体から出た空気をとどめて空気の層を作ることから、冬も暖かく、呼吸するように体感を調節してくれます。
外気との緩衝を担ってくれるこの空気の層が、麻素材が持つ調温機能の秘密。そのため、麻素材は一年を通して快適に過ごしていただくことができるのです。
日本の歴史を紐解くと、縄文時代の遺跡から麻の種・縄・編み物などが出土し、弥生時代には最古の麻の平織物(ヨコ糸20本、タテ糸18本/cm2)が出土しています。
麻素材は、古代から中世に至る長い間、四季を通じて日本人の衣服の主役であったことが分かります。
日本各地の神社の神札(おふだ)のなかでも、伊勢神宮の神札は「神宮大麻」とよばれ、伊勢神宮の天照大御神(あまてらあすおおみかみ)の力を宿す神札として、毎年お正月を迎える前に日本全国の神社と通して配られています。
また、天皇の代替わりに伴う皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」では、麻織物がお供えされます。その織物に使う麻は、阿波国の由緒ある土地で厳格に管理された麻が用いられます。
こうしたことからも、私たち日本人にとって、とても密接な素材であることがわかると思います。
夏だけしか味わえないと思っていた麻素材が、一年中着られる、という発見は、また新たな楽しみになるのではないでしょうか。
一般的にはごわつきがちな麻素材ですが、軽くしなやかなHUISの【シャトルリネン】は重ね着にも最適です。
遠州織物の技術で生まれる、特別な【シャトルリネン】をぜひたっぷりと味わってくださいね。
■参考
【シャトルリネン】の価格に感じていただく違和感、その本質的な理由
https://1-huis.com/all/19000/
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
HUISweb | www.1-huis.com
HUISonlinestore | https://1-huis.stores.jp
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