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お伝えしたいこと 2023-01-07

糸編・宮浦さんのインタビュー記事をご紹介します

先日、ご紹介させていただいた(株)糸編の宮浦さんが、浜松市からのインタビューに答えている浜松市HPのサイト「SOU」より内容を抜粋してご紹介させていただきます。
遠州織物のこと、宮浦さんの活動のことがよくわかる内容になっていますので、興味を持たれた方はぜひサイトもご覧になってみてくださいね。

■「SOU」浜松ものづくり企業ナビ(浜松市HP)
https://www.hamamatsu-mononavi.jp/column/detail/1
(2017年取材)

SOU:最初に、糸編、宮浦さんの活動について教えていただけますか?

個人事業で始めたのですが、全国の繊維産地に訪問取材して情報発信するメディア事業が半分、もうひとつがテキスタイルの事業で、主に東京にいるデザイナーの生地づくりをお手伝いしたりとか、話し合いの中で希望に合いそうな生地を持ってきたりとか。それが活動の二つの軸です。

SOU:事業を始められたきっかけは?

学生の時イギリスに留学していて、ファッションメディアのコースにいたんですね。当時ソーシャルメディアに火がついた頃で、教授から「これからは一人一人が発信する時代だから、アカウントをつくって取材してきなさい」って言われて。ロンドン中心にデザイナーのところに取材に行ってたんですよ。そしたら日本の生地があって。

SOU:浜松の遠州織物のように全国には同じような繊維の産地があるんですよね?
いっぱいありますけど、有名なところだと ジーンズの児島(岡山県)、タオルの今治(愛媛県)、シャツ生地でいうと、遠州(浜松市)か播州(兵庫県西脇市)、合成繊維だと北陸の福井県、石川県、絹織物の富山県、シルクとポリエステルの群馬県桐生市、藍染めの徳島県とか、そうやって数えていくと40か所くらいですかね。

SOU:その中で浜松の遠州織物との出会いは?

遠州の存在は知っていました。西脇に行けば、浜松と比べてものを語りますし、東京にある生地屋さんとかでも、この生地は遠州とか。実際に来たのは産地を回り始めて半年くらい、浜松で外から人を呼ぶツアーが企画されて、若いデザイナー達と来ました。
そのころはまだ知識も浅かったのですが、ここ(遠州織物会館)に来て、これくらい(10cm四方)の生地を切ってもらったんですよ。それが未だにうちの事務所に貼ってあって、それは、ものすごい風合いがいいなって直感的に思って、無地のさらし生地で。

SOU:風合いというと具体的には?

柔らかくて肌触りがいいって感じですかね。半年間産地を回ってきて、一番クオリティ高いなって思いましたね。それでビックリして、これって貰えますかって、聞いたくらいで。買うでもなくくださいって(笑)。
いろんな産地を回りましたが、綿の産地としてクオリティが高くて、綿の平織りで甘縒りの高密度で…トップレベルだと思います。それから遠州には何度も来ましたね。

SOU:イタリア、ロンドンの人が見たら?

凄く食いつくと思います。ここは宝の山ですよ、生地好きの人間からすると。

SOU:実際に買う層は?価格もそれなりにすると思うのですが。

半分くらいは海外です。最近は海外から日本の生地が欲しいというリクエストも増えていて、先週もベルギーからわざわざ来てくれたりとか、多い時は毎週海外からメールが着ます。国内のブランドさんだと、国内の市場でどう差別化していくかということで、最近は、本当にいいもの、珍しいものを、というニーズが国内で高まっています。

SOU:なるほど。改めてですが、宮浦さんが思う遠州織物の魅力って?

遠州の方々って、時代の流れと市場に迎合しなかったと思うんですよ。安さを求めなかったから工場が減ってしまった。遠州は僕の見解だと、ある意味不器用な人たちが多くて、ハイスペックしかやらない。手を抜いてないから技術も残ってる。時代にそぐわないものを頑なにやってきたから、かっこいいんです。今時代的に、そういうものが求められています。
僕の経験上ですが、海外の人に聞くと、遠州って名前が通るんです。海外でデザイナーに「日本の生地メーカーでどこを思いつく?」って聞くと、遠州はトップ3に必ず入ってきます。北陸か尾州か遠州か、あと児島。遠州は特に、高付加価値なものをやってきたんで、海外での評価が高いんじゃないですかね。

SOU:頑固に高い技術で、他にはできない、他では作らないものをつくる、そこが魅力?

そうですね。そこが魅力ですね。真似しようにも真似できない。世界のメーカーも国内のメーカーも、遠州が本気出したものは真似できないんで、そこに遠州のものづくりの市場があった、っていうことだと思います。だから現役の工場の持つ技術は凄いんだと思います。

SOU:国内の一般消費者にとってはどうでしょうか?

日本人ってシャツを裸で着ないじゃないですか。裸体でシャツを着ると気持ち良さが2倍わかります。海外は裸で着ますから、そこの文化の違いがまずあります。裸にシャツがメジャーになれば、遠州の生地の魅力がより伝わるかもしれないですね。肌で感じるのが一番ですから、風合いは。洗ったらどんどん柔らかくなってくるので、なおさら気持ちよくなってくるんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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