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お伝えしたいこと久留女木の棚田プロジェクト 2023-05-13

\「久留女木の棚田×遠州織物プロジェクト」がスタートします/

今回新たにスタートするこちらの「久留女木の棚田×遠州織物プロジェクト」は、HUISが地元農家さんたちと連携して、久留女木の棚田で綿花栽培をするものです。
私たちもワクワクしているこちらの新たな事業について、少し詳しくご説明させていただきますね。

田んぼで綿花栽培?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、棚田、といっても、水はけのいい場所やそうでない場所などさまざまです。
そして、山の斜面に段々と並ぶ棚田は日照がたっぷりと注ぎ、作物にとってはとても心地よい環境。ここ久留女木でも、レタスやとうもろこしなど、敷地によっては畑としてさまざまな作物が作られています。

HUISのものづくりのスタンスは、HUIS自らが職域を広げるわけではなく、その分野の専門家の方々との連携によってより良いものを作る、という考え方を大切にしています。
今回も私たちは農家さんたちとの事業連携という新たな形で、農業の専門家である地元の農家さんたちに、綿花を栽培していただきます。
そして、育てた綿花を採取し、紡績して糸にし、遠州織物とすることが、今回のプロジェクトの特別な意味です。

多くの綿花を採取できるわけではないので、久留女木の綿を100%使った糸を作ることは難しいのですが、この久留女木で作る綿を混紡した糸を紡績できる見込みを、遠州の機屋さんたちのご協力によって計画することができました。
通常、紡績をするためには大変多くの原綿が必要となりますが、繊維産地たる遠州の繊維関係者の方々、こうした事業に共感いただけるみなさんのおかげで、ひとつの道筋をつくることができました。

今回、農業分野にHUISが取り組もうと考える理由について、ご説明させていただきたいと思います。
先日の投稿でもお伝えしていたように、耕作放棄地化が進む地域農業の課題解消に向けた一歩がその一つですが、現実的に採算性を考えたときには、少し難しいプロジェクトになります。

HUISが使用する生地はすべて、数ある綿の中で最高級の綿糸を用いて作られていますが、こうした高級綿が作られている国というのは、多くが発展途上にある地域です。そのため、非常に手間のかかる高級綿花の栽培を経ても、私たちが手にすることができる程度の価格で流通されている現状があります。

対して、日本国内の人件費や地代で綿花を作る場合、高級綿でなくても、できた綿や糸はとても高価なものになってしまいます。自社で綿花栽培を計画するアパレル企業は多くありますが、そのほとんどが頓挫してしまう理由は、この採算性の部分にあります。

以前、備前産地のデニムメーカーさんが100%国内栽培をした綿糸を使いデニムパンツを作った際、1着100万円を超えるデニムパンツになってしまったそうです。この話をだけを聞いても、国産綿で洋服を作る難しさとともに、高級綿を作っている国々から私たちがどれだけ恩恵を受けているかよくわかります。

今回、久留女木で私たちが作る綿からできる糸も、一部を含んだ糸とはいえ、通常HUIS製品が使用している糸よりも必然的に価格の高い糸になってしまいます。
つまり、HUISではもともと最高級の綿を使っているので、「HUISの従来の製品より生地品質は下がるのに、価格は高い」という製品ができることになります。

最高級の糸を使い、最も古い希少なシャトル織機を使って織る遠州織物。その生地の価値が、HUISの本質です。ですから、今回のプロジェクトで生まれる製品に対して付加価値をつけることは目的ではありません。

私たちは、「品質的に最高品質の生地ではないはずなのに、価格は高い服」が従来のHUIS製品と並んである、ということ自体が、いろいろな気づきにつながればと思っています。
プロジェクトを通して、農産物たる綿花から私たちが身につける服になるまでの、いろいろなことをお伝えすることができると思います。それは私たちにとっても、また新しい気づきにつながると思います。繰り返しになってしまいますが、そのストーリーを価値として製品を販売することが本旨ではありません。

売り場に並ぶ製品の一つ一つは、多くの人の手、途方もない作業の積み重ねでできあがっています。

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
HUISweb | www.1-huis.com
HUISonlinestore | http://1-huis.stores.jp/
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