先日、プロジェクト2年目の種まきを行った”遠州織物×久留女木の棚田プロジェクト”
種まきの後には、大河ドラマ「おんな城主 直虎」のロケ地にもなった棚田散策ツアーも行いました。
ツアーのポイントは2つ。
棚田を見下ろすことができる絶景ポイントと湧き水です。
棚田中腹から見下ろすことのできる絶景ポイントでは、エキストラとして地元住民も参加したロケが数回行われ、ドラマの前半と最終回で棚田で撮影されたシーンが流れていました。
写真からも感じ取れますが、久留女木の棚田では田んぼ一枚一枚が真っ平ではなく、お椀を伏せたように畔(あぜ)に向かってわずかですが湾曲しています。
これは、貴重な水を下の田んぼへ行き巡らすための工夫のひとつ。
灌漑設備が整っている平地の水田とは異なり、棚田では上部から流れている水をみんなで分け合います。
田んぼが湾曲しているのは、上の田んぼから下の田んぼへと水を行き巡らせるための仕組みなのだそうです。
その貴重な水源のひとつが山林から湧き出ている湧き水で、散策ツアーの2つ目のポイントです。
山の中腹から水が沸いて出ているのは珍しいそう。
この地域に伝わる民話「竜宮小僧」が亡くなった後、竜宮小僧の言う通りに槙の木の根本に葬ると、そこから水が湧き出てきたという伝承があります。
(槙の木は戦時中に投下された焼夷弾で焼けてしまったそう)
水が湧き出だ小川は自然に流された落ち葉や枯れ枝がそのままで、人の手が全く入っていません。
貴重な水資源にも関わらず、水路が作られているわけでもありません。
どうしてでしょうか・・・
それは、水に関わるいさかいを避けるため。
枯葉や枝を取り除いたり、水路をつくったりするなど人の手が入り水の流れや水量が変わってしまうと、稲の発育や収量に影響が出かねません。
価値観や最新技術は文化や風習、時代と共に変化していきますが、先人の知恵と偉大さ、その地の文化や価値観を尊重するということを肌で感じる機会となりました。
棚田には散策で訪れたこれら2つのポイントだけではなく、野花や生き物などこどもたちを惹きつけるものでいっぱい。
(生き物は見るだけにしてあげてくださいね)
山を見ると立派な山藤が新緑に色を添えています。
人と自然とが適度な距離感を保つ”里山”の美しさを味わえる”久留女木の棚田”。
次世代に遺していきたい、遠州の誇りです。
機会がありましたらぜひ訪れてみてくださいね。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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