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お伝えしたいこと 2024-10-18

“別珍・コール天という言葉に込められた、遠州の職人の想い”

一般的にこの畝のある生地はコーデュロイと言われますが、産地では「コール天」と呼びます。また、コーデュロイと同じパイル(添毛)織物で、畝のないベルベットのことを「別珍」と呼びます。

ヨーロッパ発祥の「コーデュロイ」の名前の由来は、「Corde」=「畝」、「Roi」=「ルイ」。「王様の畝」という意味で、フランスのルイ王朝時代に生まれた、貴族のための高級生地です。

このコーデュロイが日本に伝来したのは明治時代中期ですが、生地が渡っただけで、技術者が作り方を伝えたわけではありません。
遠州の職人たちが、手にした一枚の生地を元に、原材料や織りの組織を分析・研究し、製造に必要な機械・技術を自分たちで考え、発明し、日本で唯一の産地である遠州のコーデュロイが生まれたのです。
そして、一級河川・天竜川の水資源を最大限に活用した水流たたき洗いや、大火力での毛焼き、緻密なカッチング技術など、遠州独自の工程を確立し、オリジナルである西洋のコーデュロイを超える品質の生地に昇華してきたのです。

 

 

 

 

その自負を込めて、遠州の職人さんたちは、「コーデュロイ」のことを「コール天」、「ベルベット」のことを「別珍」と呼びます。
これらはただの和名ではなく、先人の努力と技術に敬意を示し、”遠州独自、唯一無二の自分たちの生地だ”という想いが込められている言葉なのです。

 

 

 

残念ながら、オリジナルであったヨーロッパでは、すでにコーデュロイは製造されていません。現代では、中国などで大量生産型の織機と工程で作られるコーデュロイしか流通していないのです。
そのため遠州は、世界で最後に残された高級コーデュロイの産地と言われています。
ただ、加工場である磐田産業さんは最後の一社。カッチング職人の後継者も途絶える寸前です。
多くの貴重な生地が、こうして知られずして消えて無くなっていくのです。

 

 

HUIS Youtubeチャンネルでは、今回ご紹介させていただいたカッチング工程の取材動画を公開しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。

■「遠州から、世界へ」日本のコーデュロイを一手に背負うカッチング職人〜カネタカ石田〜 https://youtu.be/8y8OQ1WIYpk

■(前編)日本に残る最後の一社 コーデュロイ加工場〜磐田産業〜
https://youtu.be/P1O0coUrfEM?si=NCtvOAE5A-6sEPmC

■(後編)日本に残る最後の一社 コーデュロイ加工場〜磐田産業〜
https://youtu.be/NKepHQfmHTk?si=JvyIrd7UW8Yncp5C

 

 

 

着るほどに風格と風合いが増す、特別なシャトルコーデュロイ。
遠州の自然と技術が生み出す経年変化をぜひお楽しみください。

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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