今シーズンから新たに加わった「先染め朱子織ジャガード」のバッグ4シリーズ。これまでのトートバッグ・2wayバッグ・2wayミニバッグに加え、新型のビッグトートの4種が揃っています。
今回は、こちらの先染め朱子織ジャガードについて、どんな生地なのか詳しく解説させていただきたいと思います。
こちらのグレーのバッグシリーズに使われているジャガード織物は、タテ糸が白、ヨコ糸がグレーの組織となっており、2色の糸で表現される独特な立体感を持った味わい深い織り柄となっています。
これまでも何度かご紹介してきました「織物の三原組織」のなかのひとつ、「朱子織り」について、あらためて説明させていただきますね。
まず、大原則として、織物とは「タテ糸とヨコ糸を直角に交差させることでできる生地」です。
この、「タテ糸とヨコ糸の交差の仕方」は「組織」と呼ばれいくつかの種類があります。
その中で基本的な組織は三原組織と呼ばれ、「平織(ひらおり)」「綾織(あやおり)」「朱子織(しゅすおり)」の3つです。世の中にはさまざまな生地の種類がありますが、多くは三原組織のいずれか、または複数を発展させて織られています。
HUISの生地で考えていただくと少し分かり易いかと思います。HUISの洋服に使われている生地のほとんどは「平織り」になりますが、「綾織り」と「朱子織り」の生地を挙げると、
・【ヤク綾ネル】【ビエラ】【フランス綾】→「綾織り」
・【やわらかサテン】→「朱子織り」
になります。それぞれの違いがわかると、より生地選びが面白くなると思いますので以下ぜひ読んでみてくださいね。
まずは、「平織り」です。
「平織り」というのは、タテ糸とヨコ糸が1本ずつ交差する最も基本的な組織です。タテ糸の間を、ヨコ糸が走って織物はできていくわけなんですが、「平織り」はタテ糸の間を1本ずつ上・下・上・下と組織するように織られていきます。
次に「綾織り」です。
「綾織り」は、ヨコ糸が“2本”または“3本”のタテ糸をまたいでから下にくぐる形で織った生地です。2本または3本のヨコ糸が生地の上面(表面)に出る、ということは、「ヨコ糸の糸色が生地の上面(表面)に多く見える」ということになります。
こうして生地の上面にヨコ糸が多く見える形で織られていくことで、下の写真のような生地になります。こちらの生地は、タテ糸が「青」、ヨコ糸が「白」となっており、画像を拡大してよく見ていただくと白いヨコ糸が多く見えるかと思います。こうして生地全体として、白の面積が多く見える生地になる、ということがわかると思います。
ちなみに、「綾織り」「朱子織り」は織りの組織上、列が変わるごとに横一本ずつずらしていくため、織り目が斜めに見えていきます。
特に【フランス綾】や【ヤク綾ネル】などは斜めの織り目がはっきりと見えるため、お持ちのアイテムがあればぜひこの織り組織をイメージしながら生地をみていただくと、面白さを味わっていただけると思います。
最後に「朱子織り」です。
「朱子織り」は、ヨコ糸が“4本以上”のタテ糸をまたいでから下にくぐる形で織った生地です。2本or3本の綾織りよりも、さらに多い本数分、ヨコ糸が生地の上面(表面)に出ることから、ヨコ糸の色が生地表面の多くの面積を占めることになります。
この「朱子織り」によって柄を表現しているのが今回のバッグ「先染め朱子織りジャガード」というわけです。
朱子織り=ヨコ糸の色が生地表面に出る。
こちらの生地は、タテ糸が「白」、ヨコ糸が「グレー」となっているため、「グレー」の色が濃く出る。
つまり、HUISの家柄マークの部分が朱子織りされていることで、柄が濃いグレーで表現された生地というわけです。
なお、この朱子織りを部分的に施せるのが、ジャガード織り機で生まれるジャガード織りの特別なところです。
遠州にわずかに残る貴重なシャトル織機のジャガード織り機で織られた「先染め朱子織りジャガード」をぜひ味わってみてくださいね。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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