先週8月1日(金)に開催された浜松市教育研究会社会科研究部の講師として、HUIS代表松下がentrance代表・浜田さんとともに「”遠州織物”からひも解く『浜松の地域産業』」というテーマでお話しさせていただきました。
これまでも、市内小学校で遠州織物と地域の産業についてお話ししてきましたが、
各学校で社会科の中心的な役割を担う先生方が集まる機会にまとまった時間をいただいて、遠州織物の特徴と浜松の産業のつながりについて改めてお話しさせていただき、大変貴重な機会となりました。
小学校中学年の社会科や総合的な学習の時間では、地元の産業や名産について学ぶ時間があり、近年認知が広がっている遠州織物をテーマに取り上げたいというお子さんや先生方が増えているそうです。
しかしながら、自動車・バイク・楽器・養鰻・林業など地域資源や地元の産業に恵まれている浜松は他にも教材となるテーマが多くあり、資料館、工場見学なども充実していることから、「繊維産業」について学ぶ機会や場所は多くありません。
また、洋服向けの広幅、和装の小幅、シートベルトや真田紐のような細幅まで、素材も企画も様々で「遠州産地」の多様性はなかなか伝えづらいもの。
さらに、特に小学校の先生は、国語・算数・理科・社会といった主要教科から、体育・図工・音楽、近年は外国語まで本当に幅広い教科を担当されます。
日々の業務をこなしながら、常に更新される情報にアンテナを貼り、目の前の子どもたちに合わせて授業を作り上げていくことは、本当に大変なことです。
そうした背景もあり、社会科担当の先生方が集まる研修会での講師として今回お声がけいただき、江戸時代に綿花栽培が盛んだったことから綿織物産業や豊田佐吉、鈴木道雄などによる自動織機の発明・開発が盛んになり、現代の自動車などの重工業産業につながっていることを、遠州織物の特徴とその価値と合わせてお話しさせていただきました。
講演の冒頭では、8/1付中日新聞さんで紹介されていた古橋織布に新卒で入社した柄本さんの記事を紹介したところ、幼い頃から柄本さんを知っているという先生が講演会後に声をかけてくださったり、講演中も熱心にメモ取られたり講演後に質問を寄せてくださる方も多く、地元の人々のつながりや温かさに触れる機会にもなりました。
アパレル業界の商習慣から、地元でも知られずにいた織物産地としての遠州ですが、
新聞報道やこうした機会をいただくことで、職人さんたちへのスポットライトが、ようやく当たり始め、その光がさらに広がりを見せ始めていることを実感しています。
需要が生まれ仕事や賃金が増える”モノ”の循環に加え、適切に知られることで情報が伝播していく”認知”の広がりが両輪となることで、産地の技術や歴史がみらいにつながっていくのではないでしょうか。
人を育てるということは学校や先生だけで担うのではなく、地域で活動する様々な組織や団体が携わることで多様な価値観や生き方にも触れることができ、よりよい社会にもつながっていきます。
これからも、地域に根ざして活動する一員として、微力ながらお力添えできればと思っています。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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