HUIS | 遠州織物

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お伝えしたいこと 2025-11-11

“海外産とは一線を画す、遠州の至高の技術が生み出す「コール天」とは? ②”

コーデュロイの特徴的な「畝(うね)」。

実は、専門の職人が1本1本手作業で切っています。

【コーデュロイの特徴 “畝”をつくるカッチング】

コーデュロイは、ヨコ糸をループ状に織ります。タオルのパイルをイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、このパイル糸をカットして畝を作る作業を「カッチング」と言います。

 

コーデュロイは畝の太さが異なる様々な種類があり「細畝」や「太畝」などと呼ばれますが、この畝を作るために、カッチング職人がローラーカッターのような刃を1列1列入れていきます。1列でも失敗してしまえば、生地自体が売り物にならなくなってしまうとても繊細な作業。

また天然素材は特に扱いが難しく、その日の湿度や天候によって生地の張り方や刃の調子を整える、職人の経験と感覚が重要になってくる仕事です。高度な技術が必要になるだけに、現在残っているカッチング職人さんの数はわずかです。

磐田産業さんだけでなく、このカッチングができる職人がいなくなってしまえば、国産のコーデュロイは途絶えてしまいます。

ガイドニードルという棒状の器具を一本一本の手作業でループに通し、そこへ円状のカッターをセットします。この作業を全てのループに対して行い、生地を動かしてカットすることでコーデュロイの畝ができあがります。

カッチングの事業者は「切り屋」と言われ、最盛期には数百件あったそうですが、今はもう「カネタカ石田」さん含め数件しか残っていません。

 

 

 

【HUISのコール天は「シャトル織機」製】

さらに、HUISのコール天は、シャトル織機という現代ではもう生産されていない旧式の織機で織られた特別な生地。

織機には「ヨコ糸を通すためのシャトルがある”シャトル織機”」と「シャトルを使わない”シャトルレス織機”」があります。

近年生産されている生地はそのほとんどがシャトルレス織機によるもので、コンピューター制御により風圧や水圧を使って高速で緯糸を運ぶため非常に生産効率が高く、表面が均一でツルツルとした仕上がりとなるのが特徴です。

一方、シャトル織機はシャトルレス織機の20~30分の1という低速度でしか織ることができず、また工程において職人の手作業を多く必要とする極めて非効率的な織機です。

シャトル織機で織ることによって、糸が潰れず生地自体もふっくらとした仕上がりになるのです。

ゆっくり時間をかけて高密度に織っているため、「洗い」や「毛焼き」といった過酷な工程にも十分耐えることができ、ケバや抜けもほとんど起こりません。

 

 

【 “コール天”とは? -遠州におけるコーデュロイの歴史-】

日本で唯一のコーデュロイ産地となっている遠州産地では、独自の加工技術が受け継がれてきました。
そして、遠州ではコーデュロイのことを「コール天」と呼びます。
どうして、このような特別な加工技術や言葉が生まれたのか?

その背景には、遠州におけるコーデュロイの歴史があります。

そもそもコーデュロイ自体の歴史は古く、古代エジプトの「ファスチャン織」が起源といわれている歴史ある織物で、ヨーロッパで限られた貴族階級の召し物として使われていたコーデュロイが日本に入ってきたのは明治時代のこと。

当時ヨーロッパから入ってきたこのコーデュロイですが、生地が渡っただけで、技術者が作り方を伝えたわけでも、設備を輸入したわけでもありません。

職人たちが、手にした一枚の生地を元に、原材料や織りの組織を分析・研究し、製造に必要な機械・技術を自分たちで考え、発明し、日本で唯一の産地である遠州のコーデュロイを生み出していったのです。

そして、遠州の職人たちは、オリジナルのコーデュロイよりも、より良い生地を目指して設備や道具を発展、進化させてきました。

遠州に受け継がれてきた織布技術で高密度に織られたコーデュロイは、びっしりと美しく畝が立ち、一層高級感ある風格を備えています。
一級河川・天竜川の水資源を最大限に活用した水流たたき洗いや、大火力での毛焼き、緻密なカッチング技術など、遠州独自の加工工程を確立し、オリジナルである西洋のコーデュロイを超える品質の生地に昇華してきたのです。

その自負を込めて、遠州の職人さんたちは、「コーデュロイ」のことを「コール天」と呼びます。これはただの和名ではなく、先人の努力と技術に敬意を示し、「遠州独自、唯一無二の自分たちの生地だ」という想いが込められている言葉なのです。

現在ヨーロッパにおいてコーデュロイはほとんど生産されることがなくなり、世界で流通しているコーデュロイは中国やトルコで生産されているものです。

こうした中、アパレル業界でひときわ輝く高級コーデュロイとして知られているのが、遠州のコール天となっているのです。

産地に関わっていると日々、最後の1人、最後の1社という話が後を絶ちません。一度途絶えてしまった技術を復活させることは非常に困難です。

遠州の先人たちの歴史と誇りと技術が刻まれている「コール天」
ぜひお手に取ってみてください。

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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