2020AWの目玉、新たな生地の「シャトルコーデュロイ」のアイテムがいよいよ展開スタートとなりました。
平織りでも希少となっている旧式の「シャトル織機」で織られた生地ですが、コーデュロイ生地については特に貴重なものです。あらためて、ご紹介させていただきますね。
現在、アパレル業界において流通するコーデュロイ生地は、そのほとんどが中国において高速織機により効率的に織られた生地です。
そうした中、日本国内で唯一のコーデュロイ産地である「遠州」において昔ながらの織機で織られた生地は、一般的なコーデュロイ生地とは一線を画す品質の生地として、世界的に評価されています。
国内シェアの実に95%以上が織られている遠州のコーデュロイ生地は、非効率な織機を使ってゆっくりと織られ、職人の技術が詰まった高品質な生地として海外の高級ブランドの生地として数多く使われています。
綿(コットン)素材の中で、唯一、素材そのものに保温性を持つのがコーデュロイ素材です。
ウールやカシミアなど、動物性の繊維はもともと身体をあたためるために発達した素材で、素材そのものに保温性があります。一方、植物由来のコットン生地は、吸水性を持つなど春夏に適した素材と言われます。そのため、綿織物の産地である遠州は、春夏生地がメインの産地でもあります。
そのコットンを元に、秋冬向けの素材として開発されたのがコーデュロイ生地です。生地表面に畝(うね)を作り、その畝が熱を溜め込んでくれるため、綿の肌触りの気持ちよさと、暖かさを同時に味わうことができます。遠州産地が、一年を通してシーズンに適した素材を提供し続けられる理由です。
ただ、コーデュロイ生地は生地表面にループを作って織る専門的な織り方であり、さらに織り上げた後「カッチング」と言われるループひとつひとつを切断する工程を必要とします。この「カッチング」にも熟練した職人の技術が必要となるため、コーデュロイ生地の産地を維持するためには、大変な苦労があります。
アパレルにおける最高品質の「綿織物」を扱ってきた遠州には、今なお高い技術が受け継がれてきています。遠州が国内唯一のコーデュロイ産地となっているのには、こうした大きな理由があるのです。
その遠州の中でも、最も古い織機である「シャトル織機」を使って織る機織り工場は1件のみしか残されていません。世界的にも、特に希少な生地です。
では「シャトルコーデュロイ」によって織られる生地は、どんなコーデュロイなのか?
まず、シャトル織機はタテ糸を大きく開口させてシャトルを運ぶため、表面に立体感のある豊かな風合いが生まれます。温かみのある風合いは、コーデュロイの素材感を一層引き立ててくれます。
また、ゆっくりと時間をかけて織ることで、超高密度で織り上げることができます。時間と糸量を贅沢に使ったシャトルコーデュロイは、高い耐久性を持ち、コーデュロイの欠点である「抜け」や「はげ」が起こりにくく、美しい毛並みが保たれます。
堅牢性がありながらも、しなやか・やわらかで、履き心地も一味違います。
HUISでは、その一件の機織り工場で直接仕入れることができることから、特別な価格で展開をすることができます。
世界的にも希少な、至高の「シャトルコーデュロイ」をぜひ味わってみてください。