日本各地に広がる繊維産地の生地を使った、産地コラボレーションシリーズ。今年1月にリリースしたデニムパンツは、デニムの聖地とも言われる「三備産地」で、旧式のシャトル織機を用い、綿と麻の天然素材で織り上げた特別な一本です。
■「三備産地」や「シャトルデニム」についてはこちらの記事もぜひ合わせてご覧ください。
この記事は後編になります。
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デニムのような海外で生まれた特徴的な生地を、いかに国内で再現するか試行錯誤する様子は、遠州産地の別珍・コール天とも重なって見えました。また、産地の特色ある技術や事業が存続の岐路に立っているという点でも共通しています。
坂本デニムさんがある福山市・神辺地域一帯には、かつて複数の染色工場が集まっていたそうですが、1970年代のオイルショックによってほとんどの事業者が廃業してしまったそうです。その後も海外製品の安価で迅速な供給に押され、さらに近年はコロナ禍の影響を受けて、広い範囲で多くの事業者が廃業しているのが現状です。
近年のデニム人気の再燃によって産地にも活気が戻りつつあるものの、坂本デニムさんは「もしこの流れがもう少し早ければ、今も生き残っていた事業者もあったかもしれません」と仰られていました。こうした課題は、決して備後産地だけのものではありません。

たとえば遠州産地の別珍(ベルベッティーン)・コール天(コーデュロイ)に欠かせない加工技術を持つのは、現在では磐田産業さん一社のみ。さらに、コール天の畝をカッチングする現役の職人さんもお一人しかいらっしゃいません。このまま何もせずにいれば、数年後には産地の技術そのものが途絶えてしまう状況にあります。備後産地で伺った危機感は、産地を超えて共通するものです。
一方で、ここ2年ほどでデニムが再び注目を集め、産地に活気が戻りつつあるという動きはとても心強く感じるものです。失われかけていたものに再び光が当たって、盛り返していく姿には確かな希望が感じられました。
今、世界的にも貴重な技術や設備が多く残る遠州産地にも同じように、より多くの関心が向けられたならと、そうした希望も感じさせていただくことができました。

今回、実際に産地を訪ねてお話を伺い、日本産デニムがどのようにつくられているのか、その背景にある歴史や技術について知ることができました。また、産地ごとに共通する課題や危機感、そして再び産地に注目が集まりはじめている現在の動きにも、関心を寄せるきっかけになれば幸いです。
経年変化によって日々の暮らしが刻まれていく「デニム」の生地。
今回は、経年変化を生み出す特別な「染色」についてご紹介させていただきましたが、さらにもう一つ、デニムを特徴づける秘密が「織り」にあります。
次回は、実際にデニムを織る篠原テキスタイルさんをご紹介します。
※ロープ染色は撮影のできない工程のため掲載していません。工場内の写真は、染色前の糸をロープ状に巻き取る工程の様子です。






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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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