「やわらかサテン」に続き、まもなくHUISの新しい生地「シャトルジャガード」のアイテムがリリースとなります。

“ジャガード織り”は、プリントではなく、タテ糸とヨコ糸の色や組織の違いを用いて柄を表現する織り方です。先日、“生地のコト、産地のコト”シリーズで「平織り」「綾織り」「朱子織り」の三原組織についてご紹介させていただきました。
「ジャガード織機」という特別な織機で作られる生地は、タテ糸の開口を一本一本自由に設計できることから、その三原組織の枠を越えて、複雑な柄の生地を織ることができます。

和装用の生地としてはポピュラーなジャガード生地ですが、洋服に使われるアパレルシャツ生地を作るシャトル式ジャガード織機は、現代ではほとんど残っていません。
特にシャトル式ジャガード織機でコットンのシャツ生地を織ることができるのは、遠州産地にわずかに残る機屋さんのみで、HUISが使わせていただく「シャトルジャガード」は世界的にもとても希少な生地です。

画像は、昨冬はじめて機屋さんを訪れた時の様子。複雑なシャトル式ジャガード織機が稼働する現場は圧巻です。
昨年末、この機屋さんと双璧をなしていた遠州の歴史あるシャトル式ジャガードを織る機屋さんが廃業されました。産地に大きな衝撃の走った年末でした。

こうした貴重で複雑な織機を扱うには、熟練された高い技術が必要となります。そのうえでこれだけの素晴らしい生地が作られていても、価値を適切に受け止められる人がいなくなれば需要はなくなります。また仮に需要があったとしても、後継者がいなくなれば、遠州のジャガード織機も消えて無くなってしまいます。

そうして廃業されていく機屋さん、機屋さん周りの職人さんがたくさんいます。前述したジャガード式シャトル織機を織る機屋さんにあった貴重な織機たちも、廃業後、すべて処分されてしまいました。

産地はこうした苦しい状況の最中にありますが、かろうじてまだ残っている貴重な織機と、機織りの技術が後世に残ることを願いながら、この生地の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。

昨冬から機屋さんと開発を進めてきたHUISの特別なジャガード織生地については、あらためて詳しくご紹介させていただきますね。

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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