世界で最も名高い美術展覧会の一つ、「ベネチア・ビエンナーレ」。
物質文明の持続不可能性を暗示する展示が多く、各地に伝わる伝統的な手仕事を生かした展示が好評のようです。

また、ベネチア・ビエンナーレに合わせイタリアの靴メーカーが開催したイベントでは、職人が手作業で靴を作り上げる工程を披露し、手仕事の価値を訴える場となっていたそうです。

今年2月、パリやミラノで行われている展示会に出展された遠州の機屋さんたちから聞いた、「私たちは“インパーフェクト（Imperfect）”なものを求めているんだ」と言うバイヤーさんが多かったという話をご紹介しました。

『インパーフェクト＝不完全』という意味で、人間の手を多く介するものだからこそ生まれる不完全な部分を含んでいる、そうした生地が価値を持つ、ということ。

新たな先進技術が次々と開発される現代の製造業だからこそ手仕事が評価され、そして職人の手作業と細部へのこだわりが製品の質を豊かにし唯一無二の価値をもたらす。

そんな機運のある欧州で、遠州の職人が織りなす遠州織物が高く評価されていることはうなずけるのではないでしょうか。

■『インパーフェクト』の中にある価値
https://note.com/huis_masaki/n/n5c9cc44ba58d