「インパーフェクトにある価値、海外から人気を集める遠州織物の魅力」と題した記事になりますが、以前、HUISでも投稿させていただいたテーマになります。
■インパーフェクトの中にある価値
https://1-huis.com/all/42158
海外のメゾンブランドほど、今、「インパーフェクト=不完全なもの」を求めている。それは、人間の手を多く介するものだからこそ生まれる不完全な部分を含んでいる、そうした生地が価値を持つということをよく理解されているから、という内容の記事ですが、思い返すとこれと少し近しいことがHUISでは以前からありました。
それは、「どこかに生地キズのあるものがいいです、この中にそういうものありますか?」といった感じで、HUIS製品のなかでもキズのあるものをあえて希望して買い求められる方が稀におられるのです。これはHUISをスタートした当初から何度かあって、繊維業界のことによく精通した人ほどこうしたことがありました。
遠州織物の中でも、特に旧式のシャトル織機で織られているHUISの生地は、多かれ少なかれ、生地のどこかしらにキズが生まれます。
例えば、「薄段(うすだん)」と言って、タテ糸の調子によって織り目が整わず薄い線のように見えるもの。これは大きなシャトルが開口部を通過するために、タテ糸を大きく開口することから起こるものです。
また、「飛び込み」「風綿(ふうめん)」と言って空中に飛散したワタの繊維が部分的に織り込まれて生じるわずかなコブのようなもの。これもタテ糸を大きく開口するからこそワタが入り込む空間が生まれることが要因で、シャトル織機だからこそ生まれるキズです。
現代の高速型の織機では、こうしたキズを作ろうと思ってもまず生まれません。
繊維業界に精通されている方ほど、こうしたキズの価値をわかってくれていて、むしろ個性として特別な意味があると捉えられているのだと思います。キズのある商品に当たることはむしろ幸運で、ある意味、シャトル織機で織られた生地の証になるのです。
他の分野においても、例えば高価なアンティークタイルほど個体差があり、その価値が認められています。陶器などの分野でも同じことが言えるでしょう。
画一的な大量生産品にはない、手仕事だからこそ生まれる味わいです。
日本のものづくりには、世界的に見ても、こうした高い技術と手仕事で生まれる価値あるものがたくさん残っています。それが、日本のものづくりの、世界に誇る強みだと思います。
アパレル製品においても、こうしたことを含めて楽しみを感じてもらえることが少しずつ増えていけば、洋服の楽しみはもっともっと広がっていくと思っています。
そして、それが日本の繊維産地の未来につながることだと思っています。
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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