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お伝えしたいことお知らせ 2021-02-19

“しっかり感・ハリ感”と、“しなやかさ・柔らかさ”の相反する感触が共存する生地

昨日、放送されたNHKあさイチさんでの反響はありがたいことにとても大きく、お客さまや取扱店さまなどから今もたくさんのお問い合わせやご注文などをいただいています。

商品のデザインやカラー、シルエットなどはオンラインストアでご覧いただくことができる部分も多いのですが、「風合い」「肌触り」「着心地」といったものは、実際に体感していただかないとなかなか感じていただくことはできません。

そんなこともあって、全国さまざまな地域の百貨店さんやショップさんなどからお声掛けをいただき、商品を取り扱っていただいたり、POPUPイベントの開催をさせていただいています。
そうした場で実際に生地を触っていただいたり、ご試着いただくことで、みなさん同じような感動を受けていただくのですが、今日はHUISの特別な生地について言葉で可能な限りお伝えできればと思います。

番組の中でもご紹介いただいたように、旧式の「シャトル織機」で織られた生地は、豊かな風合いと様々な機能を持ちます。手に触れていただいた時の感触を言葉で表すと、

・高い密度で織られていることがよくわかるハリ感、生地のしっかり感
・おどろくほどの肌あたりの柔らかさと、着用した時のしなやかさ

を感じていただくことができます。
この「しっかり感・ハリ感」と「しなやかさ・やわらかさ」というのは、実は相反する性質です。

相反するはずのこの2つの感触が、一つの生地の中に共存している、ということが触わる人、着る人へ不思議な感覚をもたらす、シャトル織機で織られた生地の特別さだと思います。
それは例えるなら、鍛え上げられた「アスリートの筋肉」のような生地です。
フィギュアスケートを滑る競技者は、強靭な体幹と、しなやかな筋肉をあわせもつからこそ、美しく力強い演技ができる。それは、一足飛びに手に入れられるものではありません。長年の日々の鍛錬と、技術の積み重ねがあって初めて実現できるものです。

では、なぜ旧式のシャトル織機で織った生地では、こうした相反する性質が共存するのか。
それはやはり、「低速でゆっくりと織る」ということに大きな要因があります。
アパレル生地を織る現代の最新式の織機は、超高速で織られる効率的な機械です。目にも止まらないほどのスピードで織れるよう、繊維業における織機は革新的な発展を遂げてきました。

ですが、超高速で織るためには、糸に強いテンションをかけざるを得ません。これは、物理的に避けられないことで、早く織るためには早く糸を運ぶ必要があります。
そのため、糸が強く張られた状態で織り上げられていくことになり、そうした生地の触った時の感触は、なんとなく想像することができるのではないかと思います。
こうした最新式の織機と比べ、旧式のシャトル織機は極めて低速でゆっくりと緯糸(よこいと)を運んでいきます。糸にできるだけテンションをかけず、あそびを持たせた形で、極端な表現で言うと「ふにゃふにゃ」に緯糸を運んでいきます。

また、シャトルが往復するのは、織機に織りかけられた経糸(たていと)の間を通っていきます。大きなシャトルが往復するためには、経糸がその都度大きく開かなければ通ることができないことから、経糸は常に上下に大きく開口しながら織り上げていきます。

緯糸にテンションをかけず、そして経糸を大きく動かしながら織ることで、ふっくらと立体感のある独特な風合いが生まれます。
こうして織る生地はどれほど密度を入れても、糸自体にあそびを残した組成を持つことから、しなやかで柔らかな感触を持ちます。使い込むほどに風合いが増し、着る人に馴染んでいく服となります。

シャトル織機で織られた生地に、「しっかり感・ハリ感」と「しなやかさ・やわらかさ」という相反する性質が共存するのは、こうした理由があるのです。
福岡久留米のうなぎの寝床さんとの対談では、そんなシャトル織機で織られた生地の話を掘り下げて考えています。こちらもぜひ、ご覧になってみてくださいね。

■うなぎの寝床×古橋織布×HUIS
産地コラボレーションが生み出す【遠州織物もんぺ】
https://1-huis.com/ensyumonpe_1

 

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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