天然素材の服が持つ魅力|シャツで知るコットン・リネン・ウールの品質と着こなし解説
シャツは、日常で最も身近な服の一つであり、その素材選びが一日を左右すると言っても過言ではありません。
こちらでは、天然素材が持つ本来の魅力と、それがもたらす心豊かな着こなしに焦点を当てます。
コットン・リネン・ウールといった代表的な天然素材が、それぞれどのような特性を持ち、どのように快適な暮らしを支えているのかを詳しく解説し、皆様のシャツ選びをより豊かなものへと導きます。
コットンシャツの特徴と選び方

天然素材であるコットンは、服の中で最も身近で、古くから愛されてきた素材の一つです。その最大の魅力は、肌に優しく、季節を問わず快適に着用できる点にあります。特にシャツとしてコットンを選ぶ際には、その品質や特性を理解することで、より自分に合った一枚を見つけることができます。
コットン品質の違いと肌触りの特徴
コットンと一口に言っても、綿花の種類や織り方、加工方法によって品質や肌触りは大きく異なります。例えば、超長綿と呼ばれる繊維の長いコットンは、非常に滑らかで光沢があり、しなやかな肌触りが特徴です。超長綿は高級綿と言われ、世界の中でも限られた地域でしか生産することができない希少な綿花です。これに対し、繊維の長さが一般的なコットンは、素朴な素材感になるのが特徴です。コットン素材はいずれも、吸湿性や通気性に優れ、日常使いに適した丈夫さを持ちます。
また、生育において厳しい基準をクリアしたオーガニックコットンなどは、栽培過程での環境負荷が少なく、持続可能な環境・社会に配慮された天然素材です。
コットンシャツの肌触りを決める要素
コットンシャツの肌触りは、コットンの繊維そのものの品質に加え、糸の細さや織り方によって大きく左右されます。例えば、細番手&高密度に織られたブロード生地のシャツは、光沢がありさらりとした肌触りで、フォーマルな印象を与えます。細番手の糸を高密度に織るためには高い技術が必要なもので、こうした「遠州織物」を生産する遠州産地は世界的にも高い評価を受けている産地です。
一方、低密度に織った生地のことをシーチングと呼び、ざっくりとした素材感で軽く柔らかな生地になります。風通しがよく、吸水性・速乾性にも富んでいます。
他にも、ガーゼのように甘く織られた生地は、ふんわりと柔らかく、吸湿性に富んでいるため、リラックスした着心地を提供します。また、起毛加工を施したフランネルシャツは、温かく柔らかな肌触りで、保温性も持つことから寒い季節に重宝されます。このように、コットンシャツは多様な加工や織り方によって、一年を通してさまざまな表情と着心地を楽しむことができる天然素材の服なのです。
リネンシャツの特徴と魅力

天然素材であるリネンは、独特のシャリ感と清涼感で知られ、特に暖かい季節の服、中でもシャツに最適な素材です。なぜリネンシャツが夏の装いを快適にするのか、その特徴と魅力を以下で解説します。
高い通気性と吸湿速乾性で肌をさらさらに保つ
リネン繊維は中が空洞になっており、この空洞が空気の循環を促してくれることから放熱性・調温性を持っています。これにより、外気に触れる外側に着ることでシャツ内の空気が循環しやすく、熱がこもりにくいため、汗ばむような日でも肌をさらりと快適に保ちます。抗菌性や接触冷感などの機能を持つことも、リネンのシャツが夏に喜ばれる理由です。
また、リネンは優れた吸湿性と速乾性を兼ね備えているため、汗をかいても素早く吸収し、すぐに乾かすことができます。肌に服がまとわりつく不快感を軽減し、常に涼しさを感じさせてくれるこの機能性は、夏の天然素材の服として、リネンシャツが選ばれる大きな理由です。
四季のある一年を通して快適に着用できる、日本に適したリネン素材
リネンが持つこうした吸湿・速乾性、放熱性などが、夏シーズンに快適に着用いただける理由ですが、多孔構造を持つリネン素材の特性はそれだけではありません。冬場は風を通しにくい生地のアウターを着用し、インナーとしてリネン素材の服を重ね着することで、リネン繊維が持つ空洞に体から出た空気をとどめて空気の層を作ることから、冬も暖かく、呼吸するように体感を調節してくれます。
外気との緩衝を担ってくれるこの空気の層が、リネン素材が持つ調温機能の秘密。そのため、リネン素材は着方によって一年を通して快適に過ごしていただくことができるのです。
リネンをはじめとするさまざまな麻の種類
リネン素材は、フラックスという原料をもとに作られている麻素材の一種です。麻と一口に言ってもいくつか種類があり、HUISでも「リネン」のほか「ヘンプ」や「ラミー」などさまざまな素材を扱っています。
麻は大きく以下の3種類に分かれます。
【麻の3つの種類】
①リネン=亜麻(あま)
ヨーロッパの麻と言われ、フランス・ベルギーや中国で作られている。糸が細くてしなやかなのでチクチク感が他より少ないが、強度や麻らしいシャリ感は他よりも劣る。
②ラミー=苧麻(ちょま)
東南アジアが原産の麻で、中国やフィリピン、ブラジル等で作られている。糸が丈夫で強度があり、シャリ感や光沢感が最も強い。糸が強い分、チクチク感は他よりも少し感じやすい。
③ヘンプ=大麻(たいま)
中央アジアが原産の麻で、中国・ロシアやヨーロッパで作られている。日本で古来から使われてきた麻はこの大麻。日本の麻らしい素朴な素材感。シャリ感・清涼感がある。繊維が短いため、ネップ(節)があり素朴感のある生地になる。
麻の中でもそれぞれの違いを知ると、素材選びもまた一段と楽しくなると思います。
洗うほどに増す風合いと肌なじみ
リネンのシャツは、着用と洗濯を繰り返すことで、その風合いが変化していくという独特の魅力があります。これは、水を通すことで強度が増していくというリネンの特性にも起因しています。最初はハリのある質感ですが、徐々に柔らかく、肌になじむようになります。この経年変化は、リネンならではの楽しみ方であり、まるで服を「育てる」かのような愛着が湧いてきます。使うほどに深まる表情と、くったりとした肌触りは、天然素材が持つ本質的な魅力を存分に感じさせてくれます。
ナチュラルなシワ感と抜け感のあるスタイル
リネンのシャツは、その天然素材ゆえの自然なシワ感が特徴であり、それがそのまま服の魅力となります。アイロンで完璧に伸ばす必要はなく、むしろその自然なシワが、リラックスしたこなれた印象や、抜け感のあるカジュアルなスタイルを演出します。
ビジネスシーンでは清潔感を保つためのケアが必要ですが、普段使いにおいては、そのナチュラルな表情が、気取らないおしゃれを可能にします。リネンシャツは、シンプルながらも素材の魅力を最大限に活かし、大人のカジュアルスタイルを格上げしてくれるアイテムです。
※参考
ウールシャツの特徴と魅力

ウールは、羊の体毛から生まれる動物性の繊維です。その優れた保温性から冬の服の素材として広く認識されていますが、実はその魅力は暖かさだけにとどまりません。調湿性や防臭効果など、天然素材ならではの多彩な機能性を持つウールシャツは、工夫次第で季節を問わず活用できる万能アイテムです。
優れた保温性と調湿性で快適な体温を維持
ウール繊維は、その縮れた構造(クリンプ)によって多くの空気を含み、高い保温性を発揮します。これにより、寒い季節には体をしっかりと暖かく保つことができます。しかし、ウールの魅力はそれだけではありません。吸湿性・放熱性にも優れており、繊維自体が湿気を吸い込むことで、体が汗ばんだ際にも湿気を外に放出し、蒸れにくいという特性を持つことから、薄手のウールシャツは夏でも快適に着用することができます。
また、この調湿機能によって、冬の暖房の効いた室内でも、また春や秋の肌寒い日でも、ウールシャツは体温を快適に保つ手助けをしてくれます。天然素材であるウールが持つこの機能性は、合成繊維ではなかなか再現できないものです。
防臭・抗菌効果とケアのしやすさ
ウールは、天然素材でありながら、天然の抗菌・防臭効果を持つという驚くべき特性があります。これは、ウール繊維の表面が水を弾き、内部に湿気を吸収する構造になっているため、細菌の繁殖を抑える働きがあるからです。
そのため、ウールシャツは頻繁に洗濯する必要がなく、数回着用後も臭いが気になりにくいという利点があります。日常のケアとしては、着用後に風通しの良い場所で陰干しするだけで十分な場合が多く、手間がかからない点も大きな魅力です。適切に扱えば、ウールの服は長く美しい品質を保ち、ワードローブに欠かせない一枚となるでしょう。
多様な織り方と季節ごとの着こなし提案
ウールのシャツは、その織り方や厚みによって、さまざまな表情と季節感を表現できます。例えば、高密度で起毛感のあるフランネルウールシャツは、保温性がありかつ防風性にも長けています。見た目にも温かく、秋冬のカジュアルスタイルにぴったりです。一方、低密度で織り上げた上で縮絨加工をかけたウールシャツは、生地に凹凸感が大きく生まれ、独特の風合いを持ったユニークなシルエットが生まれます。
また、薄手のサマーウールや、通気性の良いウールギャバジンといった素材は、春先や初秋、さらには夏の冷房対策としても活躍します。
これらのウールシャツは、軽やかでありながらもウール本来の機能性を持ち合わせているため、オールシーズンで天然素材の魅力を享受できます。このように、ウールは幅広いバリエーションを持つ天然素材であり、年間を通して服の選択肢を広げてくれます。
天然素材のシャツで自分だけの心地よさを

肌への優しさ、優れた調湿性、そして長く愛用できる耐久性など、それぞれの素材がもたらす快適さは、日常の服選びに新たな視点を与えます。天然素材のシャツを選ぶことは、肌に心地よい服を選ぶだけでなく、環境への配慮や、素材の品質を大切にする選択でもあります。
HUISは、この天然素材の魅力を最大限に引き出す服づくりに情熱を注いでいます。希少なシャトル織機で丁寧に織り上げた「遠州織物」は、コットンやリネンといった素材の特性を活かし「生地が育つ」独特の風合いを生み出します。繊細な肌触りと共に、着るほどに体になじみ、着る方だけの特別な一枚へと成長していきます。
HUISの取扱店舗では、こうした天然素材の魅力を最大限に引き出したシャツを多数取りそろえています。ぜひ一度、その繊細な肌触りと心地よさをお確かめください。HUISの服が、皆様の日常に新たな心地よさをもたらすことを願っています。
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