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【生地のコト、産地のコト】 2022-03-06

【生地のコト、産地のコト】vol.4 織物の三原組織

生地のコト、産地のコトを少し掘りさげ、わかりやすく解説させていただく“生地のコト、産地のコト”シリーズ、第3回目は生地には大きく分けて「織物」と「編物」があるとお話しさせていただきました。

第4回目では「織物」について掘り下げ、「織物の三原組織」について解説していきたいと思います。

前回お話しした通り、織物とは「タテ糸とヨコ糸を直角に交差させることでできる生地」です。この、「タテ糸とヨコ糸の交差の仕方」は「組織」と呼ばれいくつかの種類があります。

その中で最も基本的な組織は三原組織と呼ばれ、「平織(ひらおり)」「綾織(あやおり)」「朱子織(しゅすおり)」の3つです。世の中にはさまざまな生地の種類がありますが、多くは三原組織のいずれか、または複数を発展させて織られています。
今回は少しわかりづらいのでイラストを多めにご用意して、ご紹介させていただきますね。

では三原組織について一つずつお話ししていきたいと思いますが、↓の画像【組織図】を見てもらうとともに、「組織点」というものも含めてイメージしてもらうと少しわかりやすくなっていくかと思います。

「組織点」とはタテ糸とヨコ糸が交差する点のことです。↓画像を見ていただくとわかりやすいかと思いますが、組織点の隣接パターンは基本的に3つしかありません。(グレー色をタテ糸、黄色をヨコ糸とし、グレー点は「タテ糸が上、ヨコ糸が下」になっている点、黄点は「タテ糸が下、ヨコ糸が上」になっている点になります)


この3つがそれぞれ「平織」「綾織」「朱子織」というわけです。組織点の隣接が多いほど、タテ糸ヨコ糸の繋がりの多い丈夫な生地になります。

 

「平織(ひらおり)」
ヨコ糸が、ならんだタテ糸を1本ずつ上下して織った生地です。
三原組織の中で、組織点の隣接が最も多いので、しっかりとしたハリ、コシのある丈夫な生地になります。その特徴から、ブラウスやシャツに多く使われます。HUISで使う生地の多くは平織です。シャトル織機で織るHUISの生地は「究極の平織生地」とも言われます。

 

「綾織(あやおり)」
ヨコ糸を、2本または3本のタテ糸をまたいでから下にくぐらせて織った生地です。
織り目が「/」や「\」のように斜めに見えることから斜文織(しゃもんおり)とも呼ばれます。組織点の隣接は平織よりも少なく朱子織よりも多いため、しなやかでしわになりにくい一方、衝撃にも比較的強い生地ができます。「ツイル」生地とも呼ばれ、チノやデニムが代表的です。

 

「朱子織(しゅすおり)」
ヨコ糸を、4本以上のタテ糸をまたいでから下にくぐらせて織った生地です。
組織点の隣接がなく、高密度な生地を織りやすいことが特徴で、なめらかで滑りの良い光沢がある生地ができますが、一方の糸が浮いている距離が長いため摩擦に弱く引っかかりやすいという欠点もあります。代表的な生地はサテンで、ドレスや裏地に使われます。

こうして三原組織の特徴を踏まえて見ると、HUISの生地の多くは、一般的に高密度な生地を織りにくいとされる「平織」生地を、細番手の高級糸を使い超高密度で織ることで、高級感のある光沢と耐久性を備えた他にはない特別な生地につながっている、ということがわかりやすいのではないかと思います。

ヨコ糸がいくつかのタテ糸をまたぐ、という表現をしていますが、実際にヨコ糸が走る軌道はシャトル織機、シャトルレス織機いずれにおいても一直線なので、その一直線を走る瞬間に、タテ糸がどう上下するかの動きが、こうした組織を決める要素になります。
少し混乱してしまいそうですが、織機の動く姿とともにイメージしてもらうと、少しずつ分かっていただけるのではないかと思います。

 

次回はこれら三原組織を発展させて織られた生地について、代表的なものをご紹介していきたいと思います。

 

【生地のコト、産地のコト】シリーズは、以下からご覧いただけます↓↓

vol.1 繊維のコト
vol.2 繊維から糸へ
vol.3 糸から生地へ
vol.4 織物の三原組織
vol.5 平織生地の種類
vol.6 綾織・朱子織
vol.7 織機の種類
vol.8 編み物のコト

 

■HUIS web blog【生地のコト、産地のコト】
https://bit.ly/35AiXF4

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