生地のコト、産地のコトを少し掘りさげ、わかりやすく解説させていただく“生地のコト、産地のコト”シリーズ、第1回目では繊維についてお話ししました。第2回目は繊維が糸になっていくまでのお話をさせていただきたいと思います。
繊維から糸になる工程は、繊維ごとに異なります。「紡績」「製糸」「紡糸」といろいろな言葉がありますが、それぞれの違いはピンときづらいですよね。
まず、【絹以外の天然繊維】は、短繊維のため原料から取り出し撚る(よる)ことで、長さ、太さを出します。これを「紡績」といいます。
次に、【絹】は蚕の繭から長く細い繊維を巻き取っていくことで糸になっていきます、その工程を「製糸」といいます。
最後に、【化学繊維】は、主原料となる石油を溶解し細い穴から押し出したものを冷却することによって糸状にします。これを「紡糸」といいます。
このようにしてそれぞれ原糸ができあがった後は、強度を高めるために撚りをかけていきます。撚りの回数が多い糸は強撚糸(きょうねんし)といい、少ない糸は甘撚りの糸と呼ばれます。また、原糸1本を撚った糸を「単糸」、2本を撚った糸を「双糸」といいます。
ちなみに、【HUIS in house】や、HUISのオックスフォード生地に使われている「スヴィンコットン」は、短繊維である綿の中でも極めて繊維長が長く強度も持っているため、糸にする際あまり撚る必要がありません。そのため、繊維をふわふわのまま保つことができ、柔らかでなめらかな極上の生地に仕上がります。繊維長が長く、強度がある糸が、高級糸と呼ばれる理由です。
糸の太さは「番手」という単位で表されます。短繊維と長繊維では使う番手が違うので少しややこしいですが、短繊維の場合、〇〇番手の数が大きい程細い糸ということになります。例えば、綿では50番手の糸と100番手の糸であれば、後者の方が細い糸です。
ここまでのお話で糸に興味を持たれた方がいらっしゃれば、HUISの生地に使っている糸の太さと単糸or双糸の情報は、HUISのホームページやカタログにも記載しているので、ぜひご覧になってみてください。
■HUIS textile
https://1-huis.com/textile
“繊維から糸”、については以上です。次回はいよいよ、“糸から生地”についてお話ししたいと思います。
【生地のコト、産地のコト】シリーズは、以下からご覧いただけます↓↓
vol.1 繊維のコト
vol.2 繊維から糸へ
vol.3 糸から生地へ
vol.4 織物の三原組織
vol.5 平織生地の種類
vol.6 綾織・朱子織
vol.7 織機の種類
vol.8 編み物のコト
■HUIS web blog【生地のコト、産地のコト】
https://bit.ly/35AiXF4
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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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